党県議団 ジョブセンターを視察

発達障がい者を支援/党県議団 ジョブセンターを視察/埼玉・川口市

2015年08月12日 6面


 公明党埼玉県議団(西山淳次団長)はこのほど、発達障がい者の就労に特化して、相談から職場定着までをワンストップでサポートする全国初の支援施設「ジョブセンター川口」(加藤正美センター長)を訪れ、職業訓練の様子を視察した。

 訓練には、発達障がいを抱える20~30代の男女約20人が参加。オフィスを再現したスペースに「管理部」「広報部」など四つの部署を設け、上司への報告や電話応対、メールのやり取り、データ入力などの実践的なトレーニングを通し、職場で必要なコミュニケーション能力やビジネスマナーを習得する。

 発達障がいには、自閉症やアスペルガー症候群、学習障がい(LD)、注意欠陥多動性障がい(ADHD)などがあり、(1)人とのコミュニケーションが苦手(2)複数の指示が理解できない(3)マナーが分からない――などの症状が原因で、人間関係がこじれることもあった。このため、学校の成績が良くても、就職が難しかったり、採用後も長続きしないという課題があった。

 そこで埼玉県は、精神障害者保健福祉手帳や医師の診断の有無にかかわらず、本人や家族、教育機関などからの申し出・相談を受けて対応するジョブセンターを県内3カ所(昨年6月に川口市と草加市、今年6月に川越市)に整備。ここで職業能力評価の実施、訓練とともに、就職先企業の新規開拓や企業とのマッチングといった就職活動支援にも積極的に取り組んできた。

 さらに就職後の職場定着にも力を入れ、月1回程度、本人と採用した企業の双方からヒアリングを行い、お互いの理解が深まるような地道な支援を続けてきた。その結果、昨年オープンした2カ所のセンターでは、1年間に683人の就労相談を受け、185人が訓練を実施。そのうち32人が就職を果たした。

 視察後、西山団長は「今後も現場の意見を参考にして、さらに充実させていきたい」と意気込みを語っていた。