介護職のイメージアップへ/「しっかり応援プロジェクト」が始動/埼玉県
2013年05月30日 7面
公明党埼玉県本部(西田実仁代表=参院議員)は、昨年から党支部単位で介護懇談会を行い、事業者などの現場の声を各議会で訴えてきた。その中で、党埼玉県議団(西山淳次団長)が介護職のイメージアップや処遇改善などを求めてきたことを受け、埼玉県はこのほど、「介護職員しっかり応援プロジェクトチーム」を設置し、取り組みを開始した。介護懇談会は今年も実施している。
『魅力ある職場づくり促進』
『公明 懇談会重ね現場の声届ける』
「介護職員が不足している」と感じている施設が、県の調査によると4割以上もあるという。その原因として、介護職員に「きつい」「給与が安い」とのイメージがあることや、離職率の高さなどが挙げられる。
2011年度の県内の介護職員の離職率は、全産業の平均15・0%に対し16・7%。平均給与については23万9000円で、全産業の平均より8万5000円低い。これに対し、有効求人倍率(12年10月)は1・67倍で県内全産業の0・52倍より高く、ミスマッチが起きている。
県は団塊の世代が75歳を迎える25年度には、10万4000人の介護職員が必要になるとしているが、11年度の介護職員は5万8500人で人材の確保が課題となっている。
こうしたことから県は、介護職のイメージアップと魅力ある職場づくりの促進、介護人材の確保を目的に、県老人福祉施設協議会、県介護老人保健施設協会など5団体と「介護職員しっかり応援プロジェクトチーム」を創設した。
プロジェクトの一環として、今月9日には全国初の「介護職員合同入職式」を実施。新たに職員となった約800人が参加し、上田清司知事が全員にメッセージカードを贈り、激励した。
このほかプロジェクトでは、利用者からのメッセージを募集し、優秀な介護職員や事業所、離職率の低い事業所の表彰を実施する。
また、給与改善の取り組みとして、経験や資格に応じたモデル給与表を作成し、事業所に働き掛けるとともに、特に給与が低い事業所については公認会計士を派遣し、経営の分析を行い、個別に指導するとしている。さらに、県ホームページに特設ページを開設し、応援プロジェクトのPR、表彰の対象となった取り組みなどの情報発信も行う。
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先ごろ開催された党所沢支部(吉村健一支部長=市議)の2回目の介護懇談会には、西山県議と6人の市議、市内10事業所から19人が参加した。
あいさつした西山県議は、月末に職員給与などの支払いがあるため「介護給付費の支払い日(28日)を変更してほしい」との声を県議会で訴え、昨年12月から25日に変更されたことを紹介。「これからも公明党のネットワークを生かし、現場の声を反映できるように取り組んでいく」と決意を語った。
昨年も参加した事業者は「1年経過したが、公明党だけが声を聞いてくれる。今後もお願いしたい」と期待を寄せていた。